イタリアは、世界を代表する革製品の産地です。ここでは、イタリアの革製品の歴史とおすすめの老舗革ブランドをご紹介します。
イタリア革製品の歴史
革なめしは、人類の一番古い活動の一つです。なめし革で衣服、サンダル、食べ物や水を入れる器、ボートなどの生活用品が作られていたことが、シュメール人の古い記録に残されています。革なめしの技法は、世界各国の古代文化の中に存在していました。ヨーロッパでは、ヘレニズム時代に職人の組合が整理され、同じ地区に住む同業者組合の原型ができたと言われています。イタリアでは、エトルリアとギリシャから伝わった革なめしの技法を、ローマ人が大きく発展させました。初めは一人一人の職人が個人的になめしに取り組んでいたのですが、お互いに情報交換したり、協力し合うようになりました。やがて職人たちは、動物の皮をはぐ部門、皮をなめす部門、革を加工する部門などに分かれて連携するようになり、きちんとした同業者組合として運営できるような組織になっていきました。それは、紀元前7世紀に定められたジュリアン法のもとで認可されていたほどしっかりしたものでした。その後、ローマ帝国の勢力が衰えるに従い、皮革工芸の産業も衰退しました。再び活気を取り戻したのは西暦1000年頃、ピサ、ジェノヴァ、ヴェネツィア、アマルフィの海洋共和国の貿易のおかげです。タンニンなめしの組織は、製造の部門ごと、または地域ごとに活動を再開しました。原始的な革なめしの方法は燻煙なめしで、そこからみょうばんなめし、油なめし、植物なめしへと進歩していきました。イタリアの革なめし業界では、1200年頃に重要なイノベーションとなる生石灰を利用したなめし方が導入されました。同じ頃、トスカーナ地方では革をなめすためのタンニンの製造が始まりました。ほかでは製造する地域がなく、17世紀までは、アルノ川流域の他の地域に広がっただけでした。具体的な製造地域は、ピサ、ジェノア、ベニスです。特別な帆船をアルノ川の河口からローブで引いてフィレンツェまで遡上させ、貿易していたのです。フィレンツェのサンタ・クローチェ聖堂は、なめし革の小物を売買するための重要な拠点となりました。その後、職人たちの努力により、便利ななめしの道具が作られるようになりました。19世紀には、鉄の大きなドラムを回転させるという画期的な方法が開発されました。このドラム式の機械は、現在でも使われています。また、同じ時期に塩基性硫酸クロム塩を使ったクロムなめしの技法も開発され、イタリアの革産業はさらに発展しました。現在は、革製品の製造に関わる多くの職人がトスカーナ地方に住み、製造に従事しています。そのシェアは国内で生産される革製品の35パーセントを誇っています。
Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)
サルヴァトーレ・フェラガモ氏が1937年に設立したブランドで革製品の中では特に靴が有名です。人間の足の構造をしっかり研究して作っているため、履き心地がとても良いと評判です。男性用の革靴はソフトな印象のデザインが多く、顧客に著名人が多いことでも有名です。特別な日に身につけるのにおすすめのブランドです。
GUCCI(グッチ)
デザイン性とトレンド力が人気のブランドです。創業は1921年。洋服からファッション小物までたくさんのアイテムがあります。特に、靴やバッグ、財布などの革製品はデザインだけでなく作りも良いので、とても評判が良いです。個性的なものからシックなものまでデザインの幅も広く、シーンに合わせて選ぶことができますよ。
Sermoneta gloves(セルモネータ・グローブス)
トレンドをほどよく取り入れた革手袋が種類豊富に揃っているブランドです。ジョルジョ・セルモネータ氏が1964年に創業しました。熟練の職人が全ての工程を手作りしており、高いクオリティを実現しています。革の発色がとてもきれいなので、コーディネートの良いアクセントになりますよ。
歴史あるブランドの革小物は丈夫なだけでなく、身につける人に威厳や品格を与えてくれます。ブランドを普段あまり身につけないという方は、革グローブや財布などの小物からチャレンジすると、気軽に楽しむことができますよ。