革手袋は、寒い季節の大切な相棒。せっかくデザインや素材にこだわって選んでも、お手入れや保管の方法を間違えると、悲しい結果に……。ここでは、高級ブランドが推奨しているお手入れの仕方や保管方法をご紹介します。
毎日のお手入れ
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帰宅して革手袋を外した後は、縦方向に軽く引っ張って形を整えるようにしましょう。その後、両手を揃えて保管場所に置いておきます。こうすることで、型崩れを防ぐことができますよ。また、まめに汚れをチェックして、深刻な汚れになってしまう前に早めに取り除きましょう。余裕がある日は、埃を乾いた布で拭き取っておくと良いですよ。埃は目に見えにくいですが、他の汚れと化合すると、シミや変色の原因になってしまいます。拭き取る時は強くこすらず、やさしくなでるようにしましょう。汚れの予防に防水スプレーをかけるとシミになってしまうおそれがあるので、使わない方が良いでしょう。
濡れた時や汚れた時の対処方法
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革手袋は湿気に弱いので、水に濡らさないのが基本です。もし水に濡れてしまったら、すぐに乾いたやわらかい布で水気を吸い取ります。その後、形を整えて風通しの良い場所で陰干ししましょう。本格的に濡れてしまった場合は、3〜5日ほどかけてゆっくりと乾かしましょう。アイロン等の熱を加えたり、日光に当てて乾かしたりすると、縮みや型崩れ、ヒビ割れの原因になるので、必ず自然乾燥させましょう。革を水に濡らすと、色落ちしたり革が硬くなったりカビが生えたりすることがあります。できるだけ早く水気を取るようにしましょう。泥や埃で汚れてしまった場合は、乾いた布で拭き取ります。目立つ汚れでも範囲が小さければ、白いプラスチック消しゴムで落とせることが多いですよ。シミやカビなどの深刻な汚れになる前に、少しでも早く汚れを落としましょう。皮革クリーナーや革用消しゴムは、色落ちやシミの原因になるため、使わないほうが良いでしょう。クリーニング店に依頼する場合も、色落ちやシミ、風合いの変化などの恐れがありますので、皮革専門のクリーニング店とよく相談しましょう。できるだけ汚れがひどくならないように、手入れしながら使うことも大切です。雨に濡れてしまった場合は、水に濡れた時と同様に対処し、その後で汚れを取ります。雨水は意外に汚れを含んでいるので、乾いた布で汚れを拭き取るのを忘れないようにしましょう。スウェードの場合は、布や消しゴムが毛の奥まで届かないので、完全に乾かしてからブラシで起毛させながら汚れをかき出します。汚れを取った後は、もう一度ブラッシングして毛並みを整えましょう。
長期保管の方法
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革製品を傷めないようにするには、使い続けるのが一番といわれていますが、革手袋は寒い時期しか使わないので、一年のうちで使う期間は冬から春先までの間です。その他のオフシーズンは、きちんと保管しておかなければなりません。長期保管する際は、カシミヤなどの高級繊維の素材と同様に、陰干しにして湿気を抜いてから保護袋に入れて保管します。保護袋には、通気性の良い不織布などの素材が適しています。保護袋に入れて保管すると、カビを防ぐことができるだけでなく、こすれによる傷みや色移りも防ぐことができますよ。保護袋に入れた革手袋は、高温多湿の場所を避けて、直射日光や強い電灯が当たらない場所に平置きで保管します。その際色移りや湿気がこもるのを防ぐために、できるだけ他のアイテムと重なったり接触したりしないように気をつけましょう。また、保管中にも定期的なメンテナンスが必要になります。長い間放置すると、湿気がこもってカビが生えてしまうおそれがあるからです。可能なら月に一度は保護袋から出し、陰干しして風を通しましょう。忙しくて月に一度行うのが無理でも、湿気が特に多い梅雨の時期は必ず一度取り出して陰干しし、湿気を抜くようにしましょう。
カビが生えてしまったら
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丁寧に保管したつもりでも、汚れが残っていたりメンテナンスを怠ったりするとカビが生えることがあります。カビが生えてしまった場合でも、早めに発見できれば跡を残さずきれいに取り除くことができますよ。表革は乾拭きで、スウェードはブラッシングでカビを落とします。縫い目などの細かいところは、歯ブラシを使って入念に取り除きましょう。革の組織の中まで変色している場合は、跡は消えません。まめにメンテナンスを続けることが大切です。
革手袋を長持ちさせるには、湿気と汚れを上手に防ぐことが大切ですね。革手袋は丁寧に手入れしながら使うと、独特のツヤが出て新品の時よりも魅力的な風合いになります。ぜひ長く使って、変化を楽しんでくださいね。