世界中で革製品が作られていますが、なかでもイタリアの革ブランドは世界中で人気です。ここでは、イタリアに革ブランドが多い理由や、本場イタリアでも人気を集めている有名革ブランドをご紹介します。
イタリアは多様なブランドの宝庫
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イタリアは昔から貿易が盛んで、経済的に豊かだったため、芸術が大きく発展しました。なかでも、ローマ、ベネツィア、フィレンツェ、ナポリ、ミラノで生まれた美術や建築は、ヨーロッパの芸術活動に大きな影響を与えました。そのため、これらの都市は芸術都市とも呼ばれています。イタリア人は、美意識をとても大切にする国民性を持っています。そのためか、便利かどうかよりも、美しいかどうかを基準に判断する傾向があるともいわれています。古代都市ポンペイの遺跡や数々の円形劇場、競技場、教会、城、貴族や富豪の邸宅など、古い時代の建築物をそのまま残しているのも、イタリアの特徴の一つです。建築物は、ただ保存されているだけではなく、美術館、博物館、役所などの公共施設として現在も使用されています。このように、歴史的な芸術がそのまま日常に溶け込んでいる国なら、芸術のエッセンスが凝縮されたブランドがたくさん生まれるのも納得ですね。また、イタリアには卓越した技術をもつ職人を育てる風土があり、洋服の縫製やガラス工芸、建築など、小・中規模の職人の工房がたくさんあります。職人たちは組合を作り、互いに腕を競い合ったり情報交換をしたりしながら技術を向上させてきました。特に、トスカーナ地方の革なめしや縫製技術には歴史があり、世界でもトップクラスだといわれています。しかし、イタリアは第二次世界大戦に敗戦し、経済的に逼迫してしまいます。その時期は、先に既製服の生産が盛んになっていたフランスやイギリスのブランドの洋服や小物の縫製を請け負って国を支えました。その後1958年の高度経済成長期に、下請け時代に培った大量生産のノウハウを活かし、たくさんのファッションブランドが誕生しました。それにより、ファッション産業が大きく発展したのです。1970年代後半に既製服ブランドの新作発表会である「ミラノコレクション」が始まると、デザイン性と縫製技術の両立に憧れる人が多くなり、世界5大ショーの一つに数えられるほど注目されるようになりました。
DOLCE&GABBANA (ドルチェ&ガッバーナ)
「DOLCE & GABBANA」は、イタリアを代表する高級ブランドの一つです。ブランドの設立は1985年とまだ新しいブランドですが、ヨーロッパやアジアの洋服が好きな消費者にとても人気があります。独特の世界観や、洗練されたものから遊び心のあるものまでデザインの幅が広いことなどが人気の理由です。革小物はイタリア製なので、高級感があります。コーディネートの中にうまく取り入れると、とてもおしゃれな印象になるので、きっと見た目のお洒落度が上がりますよ。
EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)
「EMPORIO ARMANI」と言えば、男性用のスーツが有名ですが、優れた革製品もたくさん扱っています。なかでも財布にはカーフスキンなどの高級な牛革が使われているので、とても丈夫です。また、どの財布も隅々まで細かく計算されたつくりになっているので、使いやすさにも定評があります。ブラック、ダークブルーなどの、シックで高級感があるカラーが多く使われているのもポイントです。EMPORIO ARMANIの創業は、1975年。比較的新しいブランドですが、世界でも影響力があるブランドのひとつといわれています。
Sermoneta gloves(セルモネータ・グローブス)
「セルモネータ・グローブス」は、品質の高さとトレンドを上手に取り入れたデザインが人気の革手袋専門ブランドです。1964年にジョルジョ・セルモネータ氏が創業しました。このブランドの革手袋には、ナッパやペッカリーなどの最高級素材が使われています。革のなめしから仕上げまで、すべての工程が熟練の職人によるハンドメイドなので、とてもきれいな仕上がりです。シーズンごとに新しいモデルを発表しているので、手持ちの洋服や使いたいシーンに合わせて買い揃えるのも楽しそうですね。
革ブランドとひとくちに言っても、ブランドによってさまざまな個性がありますね。これまでブランド品をあまり買ってこなかったという方は、シンプルな革手袋などの小物から買い揃えてみてはいかがでしょうか。