革製品に興味があっても、革の種類が分からないとどれを選べば良いかわからずに悩んでしまいますよね。ここでは、代表的な革の種類とその特徴を紹介します。
牛
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牛の皮を革製品にするために加工したものを、牛革(ぎゅうかく)といいます。牛革は繊維の密度が高く、他の動物の革と比べてとても強靭です。靴、バッグ、財布などの革小物、ベルト、ソファーなど、多くの革製品に使われています。牛革の種類は主に、生まれてから6ヶ月以内の子牛の皮「カーフスキン」、子牛と成牛の中間くらいの大きさの牛の皮「キップスキン」、生後数ヶ月経った頃に去勢した牛の皮「ステアハイド」、生後2年以上の子牛を産んだことのある雌牛の皮「カウハイド」の4つに分けられます。革製品を作るときに動物の皮をはぎ、タンニンという植物を主成分にした薬剤や、クロムじゅう剤を使ってなめして防腐処理をして、材料にするための加工をします。皮の毛と表皮を取り除いて、真皮が表に出た状態のものを銀面と呼びますが、カーフスキンは大きくなった牛に比べて銀面のきめが細かくなめらかで、とてもやわらかいです。牛革の中では最高級の品質といわれています。
豚
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豚革は、複雑な凹凸の銀面とたくさんの毛穴が特徴です。通気性がよく、靴の内側に張る革としてよく使われます。タンニンでなめして飴色になった豚革を、アメ豚と呼びます。きれいに浮き出た毛穴と、しぼと呼ばれる細くきれいなしわが特徴で、腕時計、靴、バッグなどのファッション小物の材料になります。
馬
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馬の皮をなめして作られる馬革(ばかく)は、牛革の銀面よりもきめが粗く、しなやかなのが特徴です。主に野球のボールや、靴の内側に張る革として使われます。また、バット部と呼ばれるお尻の革の繊維はとても緻密で、製品化のためになめされたものはコードバンと呼ばれています。一頭の馬から採れる面積がとても少ないため、貴重な革として大切にされています。主に高級紳士靴の甲の部分に張られたり、ランドセルを作るのに使われています。
羊
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羊の皮をなめしたシープスキンは、とてもやわらかいのが特徴で、主に洋服や手袋の材料に使われます。種類が多いのも特徴で、羊毛種として改良されていない「ヘアシープ」、毛糸を作るために品種改良された「ウールシープ」、生まれてから12ヶ月以内の子羊の革である「ラムスキン」、生まれてから6ヶ月以内の子羊の革である「ベビーラムスキン」が代表的です。ラムスキンは皮をはいだ際に羊毛をつけたままなめし、リバーシブルで着られるムートンコート、ムートンブーツや手袋の材料としても使われます。
ヘビ
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ヘビ革の一番の特徴は、うろこの色や模様の美しさです。革製品として加工されるのは、ダイヤのような模様の「ダイヤモンドパイソン」、石垣のような模様の「モラレスパイソン」、赤色がとてもきれいな「レッドパイソン」などの大蛇が多いです。なめした革はとても丈夫で、主に財布やバッグ、ベルト、腕時計、手袋などのファッション小物の材料になります。
ワニ
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ワニの皮をなめして作るワニ革は、独特の凹凸があるうろこの柄が特徴です。ただし、ヘビ革のような模様はありません。現在、ワニ革は養殖でしか作ることができないため、とても貴重になっています。代表的なものに、小さめのうろこ柄の「クロコダイル」、うろこの形がクロコダイルに比べて少し大きく細長い「アリゲーター」、硬い手触りの「カイマン」などがあります。ヘビ革と同様、なめした革はとても丈夫で、バッグ、財布、靴、腕時計などの高級ファッション小物の材料になっています。また、牛革の表面に金属でワニのうろこの柄を型押ししたものをクロコダイル柄、クロコ柄と呼びます。型押ししたものは柄に決まった周期があるので、そこで見分けることができますが、一見区別がつきません。購入する際は、素材をきちんと確認しましょう。
同じ動物の革でも大きさや部位によって特徴が異なり、たくさんの種類があります。でも、あまり難しく考えなくても大丈夫。大まかな特徴が分かったらお店に足を運び、自分の好みや生活スタイルに合うかどうか、実際に手にとってみればきっとお気に入りの革製品が見つかります。